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三線おやじの三線作り9 サイズ違いの三線のための音楽理論 [手作り三線]

長らく続いた前置きも、今回が最後です。
ということで、音楽理論を少し書きます。
「やれやれ」と思っている方の為に、エクセルに数式を入れれば弦を押さえる位置を計算してくれるサンプルも付けます。
もし、この三線作りが提供するサイズとは異なる三線を作りたくなったときに、このコーナーを見てください。

サイズ違いの三線.jpg
 三線にはギターのようなフレットは無いので、厳密な音程について知らなくても製作に支障はありません。
 とは言っても、演奏をするには、押さえる場所がわからないと慣れるまでは不安です。そこで、棹に押さえる場所の目印を付けることをお勧めします。目印を付ける場所は、以前のブログ「章前 図面を見るには」の「図1 三線組図」に示してあるとおりです。演奏者から見える棹の左側面にマジックやシールで印を付けてください。
 サイズの異なる三線の場合は、印を付ける場所は図面とは異なります。そんな三線を作りたい方のために、弦楽器における音階と押さえる場所の関係を示しておきます。
 弦を弾いたときに出る音の高さは、弦を押さえる場所により変化します。その音の高さは抑えた場所からウマまでの距離に反比例します。たとえば、どこも押さえない場合にたいして、歌口とウマの中間を押さえたときの音の高さは、距離が半分になったので2倍の音の高さとなります。
 音の高さは、一秒間に空気が振動する回数である周波数で表すことができます。私たちが慣れ親しんでいるドレミファ・・という音階は、基準の高さの音に対する周波数の比というわけです。音階には、単純な周波数比で表される自然音階と、厳密な数式に基づいた周波数比で表される平均律音階があります。自然音階も平均律音階も周波数比で表される訳ですから、ウマから歌口までの距離をL、周波数比をAとすると、押さえる場所Pは次の式で表されます。

ポジション式.gif
 自然音階は、一オクターブ(完全8度)が1:2、完全5度が2:3、のように表現されます。三線で目印を付ける場所は長2度(8:9)、長3度(4:5)、完全4度(3:4)、完全5度(2:3)ですからAにそれぞれの数値を代入すればPの値を得ることができます。たとえば、最初の目印は長2度ですから、周波数比Aは9/8となります。
 平均律音階の場合周波数比Aは次のように表されます。

平均率周波数比.gif
 但し、Tは0から12までの整数です。0だと同じ音(完全1度)、12だと一オクターブ(完全8度)になります。印をつけるのは、Tの値が2, 4, 5, 7の位置です。
 図面の目印の場所は、平均律音階で計算しています。平均律音階と自然音階は完全1度と完全8度を除いて完全に一致しませんが、人の耳ではその違いを聞き分けることはできないといわれています。
 Pはウマから押さえる場所までの距離です。図面の目印の寸法は歌口から押さえる場所までの距離ですから、(L-P)の値になります。

エクセルで計算するには

 難しい話はともかく、実際にどのように計算すれば弦を押さえる位置が解るのかとおっしゃる方の為に、エクセルのサンプルを準備しました。
 G列の12~14行と17~19行に半角文字で式を入力します。
 これらの式をコピーして、横のC,D,E,Fに貼り付けます。
 ($が付いていない値は自動的に変更してくれます。もしうまくいかない場合は、式中のGを各列の文字に置き換えてください(G列で=$C$8/G12となっていればC列では=$C$8/C12とします。)。)

三線ポジション計算.gif
3月14日11:15以前にこの表を見て計算を試した方にお詫びします。
式の行番号が1だけずれていました。今現在は正しい表示に訂正されています。

三線おやじの三線作り8 道具の手入れと設計図 [手作り三線]

今回は、道具の手入れと設計図について書きます。

ほとんどの道具は管理と手入れを怠らなければ、DIYレベルの使用頻度なら一生使うことができると思います。
管理とは、道具が錆びたりしないような場所に無理な力が加わらないように保管することです。
手入れとは、使用した後の掃除のことです。
でも、刃物の手入れはちょっと違います。

設計図。 物を思ったとおりに作るための必需品だと思っています。

道具の手入れ

 DIYでも道具の手入れは必要です。道具は手入れをしなければ、だんだん扱いにくくなってきます。扱いにくさがこうじると、怪我をしやすくなります。怪我まではいかなくても、扱いにくい道具を使っていたのでは三線作りを楽しむことはできません。
 刃物を除く道具の大部分は、特別な訓練をしなくても手入れをすることができます。ところが、最も手入れが要求される道具が刃物なのです。切れにくい刃物を使った加工は、仕上がり精度が悪く、労力は余分にかかり、とても危険です。昔はドリルの刃や鋸の刃も手入れしていたようですが、今は強い刃を作る技術ができて長持ちするようになり、大量生産で値段も手頃になっているので、切れ味が悪くなったら新品を購入すればよくなっています。しかし、小刀・鉋・鑿は、現代の技術を持ってしてもそれ以上の物ができないのか、昔ながらの方法で作られているものが主流です。これらの道具は、使う人が自分で手入れをすることを前提として作られています。やっかいなことに、新品の場合は、最初に手入れをしなければ、その機能が正常に発揮されないのです。
 ではどうすれば良いのでしょう。私の知る限りでは、刃を砥ぐ技術を習得することが最良の解決方法です。それも、水と砥石を使った昔ながらの方法を習得することを勧めます。砥ぎの技術を習得すれば、包丁も砥ぐことができて家族から感謝されると思います。最近、水を使わない簡便な砥ぎ器が出回っていますが、刃先が鈍って切れ味が長持ちしなくなるので避けた方がよいでしょう。鑿や鉋については、刃を砥ぐだけでなく、裏押しをする方法を習得することも勧めます。

5321818.jpg
 砥ぎを習得するには、その技術を持っている人に教えてもらうのが一番だと思います。DIYの解説書もたくさん出回っているので参考になると思います。砥ぎ方について簡単に一ページ位でまとめてあるものではなく、しつこいくらい丁寧に説明してある解説書を選んでください。私の方法は自己流ですし、このコーナーの目的ではないので、詳細説明はご容赦ください。


設計図を書こう

 私は、何かを作る前に必ず設計図を書くことにしています。紙の切れ端に殴り書きで大まかな形と寸法を書くのではなく、CADを使って、なるべく正確に書くように心がけています。形状が単純な物も例外としないようにしています。
 理由は単純で、失敗したくないからです。作り始めてから間違いに気付くと、手間もかかるし材料も無駄になります。何よりも、楽しいはずのDIYがストレスになってしまいます。設計図作りも慣れてくると楽しむことができるようになります。作りたいものを図形にすることによってイメージが具体的になり、加工方法について考えたり、形や機能をより良くすることができるようになります。
 CADなんか使わなくても、手書きで十分とおっしゃるかもしれません。もしあなたが、定規やコンパスを使って正確な図面を書かれているのなら、その通りです。図面は正確でなければ、出来上がりのイメージを膨らませる事は困難です。
 一昔前は正確な設計図を書くためには特殊な道具と技術が必要でしたが、今ではCADの使い方を覚えれば誰でも正確な図面を書くことができるようになりました。

jwcad.jpg
 CADなんて設計のプロが使うものだし値段も高いと思っていらっしゃる方が多いと思います。そんな方にぜひ一度試していただきたいのがJW-CADです。このCADは使い方が簡単なだけでなく、無料なのです。広く建築業界で使われているので、参考書もたくさん出ています。このブログで紹介する図面もJW-CADで書いています。インターネットの検索エンジンに「JW-CAD」と入力していただければ、ダウンロードするプログラムを提供しているHPアドレスは簡単にわかります。(JW-CADのHPはこちら

 ぜひ一度試してみてください。間違いなく、DIYの領域が広がります。

三線おやじの三線作り7 必用な道具と材料(2) [手作り三線]

三線おやじ流三線作りに必要な道具と材料の説明の2回目です。
カンカラ三線だけで使用する道具には(カンカラ)、布張り三線だけで使用する道具には(布張り)のかっこ書きがあります。
いつになったら本題に入るのかとうんざりしている方に「次回から本題です。」と言いたい所ですが、
「道具の手入れと設計図の薦め」
「サイズ違いの三線を作る方のための音楽理論」
を書いてからとなりそうです。
じらせているようですみません。


 三線作りに使うのは、一般的な大工道具です。ほんの少しですが、洋裁用品・スポーツ用品・文房具を流用しています。
 写真の大きさは道具の大きさに比例していません。サイズを指定してない道具は、標準タイプのものを準備してください。又、三線作りに必要だがどこの家庭にでもありそうな道具類(ドライバーやハンマー等)は除外してあります。


ヤスリとブラシ.jpg
木工用平ヤスリ
 棹や胴の形を整えるときに使います。両側の面は荒目と細目になっているので、削る量によって使い分けてください。写真は荒目側です。

鉄工用丸ヤスリ 200mm(径8mm)
 カラクイを差し込むテーパ穴の仕上げに使います。指定サイズを準備してください。

真鍮ブラシ
 ヤスリの掃除をする必需品です。目詰まり防止のため、必ず準備しましょう。

ヤスリセット.jpg
ヤスリセット
 細かい形状を整えるときの必需品です。ウマ、歌口の加工等に使います。

電動ドリル.jpg
電動ドリル 
 穴空け作業に使います。電池式が作業には便利です。穴空け・ネジ締め等DIYのさまざまな用途に使うことができるので、トルクリミッター付き(回転する力を制御できるので、木ネジの締めすぎを防止できる)の電池式タイプを準備することを薦めます。

ドリルの刃.jpg
ドリルオイル(カンカラ)
 金属に穴を空ける場合に、ドリルビットに付けます。ドリルビットを長持ちさせるためにも準備した方が良いでしょう。

下穴錐(木工用)
 穴の位置と角度の精度を良くする為に使用します。

木工用ドリルビット
 木工専用のドリル刃です。三線の加工では、直径10mmと13mmがあると便利です。

サラモミビット
 穴の面取りや皿ビス用の面取りに使います。ドリルで穴を空ける前にドリルビットの直径より大きめにサラモミ加工をしておけば、穴の角がめくれる可能性を減少させることが出来ます。

ドリルビット
 金属・木工兼用のドリルの刃です。DIYショップで一般的に扱っている直径1.5mm~6.5mmのセットで十分です。穴を空ける位置の精度を良くするため、ポンチはある方が良いでしょう。

ドリルガイド・傾斜プレート.jpg
ドリルガイド
 面に対して正確に垂直な穴を空けるための治具です。カラクイを差し込む穴を、棹に空けるときに使います。ボール盤がある場合は不要です。

ドリルガイド用傾斜プレート
 棹にカラクイ用の穴を空けるとき、ドリルガイドに取り付けて使用します。カラクイ用の穴のうち二つは、面に対して81度の傾きで空ける必要があります。正確にこの角度で空けるのは困難なので、9度の傾斜を持ったプレートをドリルガイドの下に取り付けて穴加工を行ってください。販売されていない治具なので、自作してください。角度調整が可能なドリルガイドやボール盤がある場合はこの治具は不要です。

ジグソー.jpg
ジグソー
 直線または緩やかな曲線で材料を切断するときに使います。まわし引き鋸でも代用できますが、棹の側面の切断や布張りタイプの胴の中央に穴を空ける加工は手作業では大変なので、準備した方がよいでしょう。

サンダー.jpg
電動サンダー
 紙ヤスリをかけるときに使います。電動でなくても紙ヤスリをかけることはできますが、あると便利です。

ハサミ・カッター・へら.jpg
へら(布張り)
 胴に布を貼る接着剤を均一に伸ばすために使います。刃がギザギザになっていると、接着剤の塗布量のバラツキを抑えることができます。刃の部分の長さが25mm位が使い易いでしょう。

金鋏(カンカラ)
 金属用のハサミです。缶を胴にする場合使用します。

丸刃カッター(布張り)
 布を切断するときに使います。胴に布を貼った後、胴の側面で布を切断するので、普通のカッターでは作業が大変になります。このカッターを準備してください。

トレーニングチューブ.jpg
トレーニングチューブ(布張り)
 胴に布を貼るときに使用します。スポーツ用品として販売されています。サイズは問いません。長さは1m以上必要です。


三線おやじ流三線作りでつかう材料

 ここでは、三線作りに必要となる塗料などの材料について列挙します。三線そのものを構成する部品の材料については、本文で詳しく説明しているので、そちらを参照してください。


接着剤塗料他.jpg
柿渋
 棹の塗料として使います。一本の三線に必要な量は20cc以下です。DIYショップの塗料コーナーに置いてあります。塗料としては高価で500ccで2千円くらいします。無臭タイプもありますが、少し色が薄く、塗る回数を多めにする必要があります。

オイルフィニッシュ
 木工用の塗料で、木の表面に染みこませるタイプです。カラクイに使用するので、少量で十分です。柿渋の濃い茶色と釣り合いの取れる色を選んでください。桂や花梨をカラクイにする場合は、無着色で良いでしょう。

サンドペーパー(写真なし)
 木の表面仕上げに使います。#100と#240を準備してください。#100で形を整えて、#240で表面仕上げを行います。

接着剤
 木工用の水性接着剤を使います。木工ボンドとして販売されています。胴に布を貼るために使用します。一回の使用量は10g以下です。
 棹やカラクイの加工中に起こる材料のメクレや欠けの補修にも必要です。

アルコール(布張り)
 胴に布を貼るときに使用します。布に吹き付けるので、スプレー用ノズルが付いたタイプを準備してください。消毒用として販売されているアルコールで十分です。

三線おやじの三線作り6 必用な道具と材料(1) [手作り三線]

三線おやじ流の三線作りに必用な道具と材料を2回に分けて紹介します。
カンカラ三線のみで使用する道具には(カンカラ)、布張り三線のみで使用する道具には(布張り)と書いてあります。

 三線作りに使うのは、一般的な大工道具です。ほんの少しですが、洋裁用品・スポーツ用品・文房具を流用しています。
 写真の大きさは道具の大きさに比例していません。サイズを指定してない道具は、標準タイプのものを準備してください。又、三線作りに必要だがどこの家庭にでもありそうな道具類(ドライバーやハンマー等)は除外してあります。


円定規
 小径の円を描くときにあると便利です。からくいの加工で、直径6mmの円を描くときに使用します。文房具として販売されています。

スコヤ
 木工の必需品です。面に垂直な線を引いたり、直角な部分の加工精度を確認したり等、さまざまな用途で使います。

直尺
 様々な用途があります。あると便利です。


曲尺
 「かねじゃく」と読みます。木工には欠かすことのできない物差しです。直線を引いたり、長さを測ったり、直角を調べるだけではありません。その用途は幅広く、規矩術としてまとめられて、さまざまな書物が出版されています。

ノギス
 0.05mmの精度で長さを測ることができます。三線の加工では、0.1mmの精度が必要な箇所もあるので、揃えてください。


罫引(ケビキ)
 木工の必需品です。基準面に平行な線を、正確で再現性良く簡単に引くことができます。

ケガキペン(カンカラ)
 金属に線を書くためのペンです。缶を胴にする場合のケガキ針として使います。

万力
 ヤスリ掛けや鋸引きなど両手を使う作業では、加工する物を固定する必要があります。精度の良い加工を安全に行うには欠かせない道具です。できれば木工用を準備してください。一般用途の万力の場合は、写真のようにつかむ部分のあて木を作って、つかんだ材料に傷が付かないようにしてください。

(写真なし)
 100グラム単位まで測定できる体重計が手に入れやすくて、用途としても適しています。貼った布の張力や、缶の振動板の強さの測定に使います。


クランプ
 棹や胴の加工に使います。正確な加工を安全に行うための必需品です。100mm以上の厚みがつかめるもの2個以上準備してください。


鋸 両刃
 横引き用と縦引き用の刃が付いている鋸です。木目に沿った方向に切断する場合は縦引き刃を使った方が、速くて精度良く切断できます。鋸を一本だけにするなら、このタイプを薦めます。

鋸 横引き
 木目に対して角度を持たせて切断する場合に使用します。DIYショップで売られている主流はこのタイプの鋸です。

鋸 胴付き
 寸法精度の高い切断が要求される場所で使います。歌口やウマの加工用としてあると便利です。


平鉋
 木工には欠かせない道具ですが、扱いに慣れるには少し時間がかかります。扱い方を間違えると全く用をなさないので、正しい扱い方を知る必要があります。扱いに慣れている人に尋ねるか、木工の解説書を参考にしてください。台の幅が80mm位が一般的です。できれば、台の幅が50mm程度の豆平ガンナも準備しましょう。片手で扱えるので、角の面取り用として便利です。鉋を使う頻度が高い場合は、台直し鉋も準備して鉋の手入れをしてください。

鑿(追入鑿)
 木工に欠かせない道具です。普通、鑿といえば汎用性の高い追入鑿のことです。三線の加工用としては、刃の幅が3分(9mm)と5分(15mm)があると作業がやりやすくなります。


小刀
 棹の曲面や胴の角穴などを加工するときに使います。良く切れるものを選びましょう。写真は左利き用です。

小刀(小)
 胴の角穴加工等に使用します。必ずしも必要ありませんが、細かい作業には有れば便利です。写真は左利き用です。


三線おやじの三線作り5 三線作りを始める前に [手作り三線]

今回は、三線作りを始める前に理解しておいてほしいことについて述べます。

三線の全体像

 三線の各部には写真に示す呼び名がついています。弦は、太い弦を男弦(ウージル)、中間の弦を中弦(ナカジル)、細い弦を女弦(ミージル)とよびます。このブログでは弦を除く全てのパーツの作り方について説明します。

三線作りの基本

 基準となる部品を最初に製作し、他の部品はその基準部品と組み合わせながら加工すると、楽器として機能する、狂いの少ない三線を作ることができます。部品の加工順序は、歌口、棹(さお)、胴(チーガ)又は糸巻き(カラクイ)となります。ウマと猿尾(サールージュウ)には製作順序の指定はありません。
 それぞれの部品についての説明では、その部品の役割、製作に当たっての注意事項とその理由について挙げていきます。これらの勘所をあらかじめ理解してから作れば、より良い三線ができるでしょう。

三線作りに使う道具

 三線作りで使用する道具の大部分は、通常のDIYで使うものと同じです。必要な道具をそろえてから製作を始めてください。ブログでは「三線づくりに必要な道具と材料」を最初に説明します。

三線作りの材料

 三線を構成する部品の材料については、各部品の製作方法を述べる項目で解説していきます。それ以外に必要な材料については、「三線づくりに必要な道具と材料」をご覧ください。

三線の扱い方

 部品の組み立て方や弦の交換方法など、三線の扱い方については、「三線の扱い方入門」をご覧ください。演奏方法についても少し説明するつもりです。

三線の製作図

 製作図は部品の加工を説明するときに掲載します。部品によっては、0.1mm単位の加工精度が必要となるため、製作図は厳密な表現が可能な製図のルールである第三角法で書いてあります。三角法については既に述べた「図面の読み方」を見てください。


三線おやじの三線作り はじめに(奥は深いが基本は意外と単純) [手作り三線]


三線おやじが初めて作ったカンカラ三線。

 最初の三線を完成させたときの感動は、今でも忘れません。クッキーの缶を胴にしたシンプルな三線でしたが、音からは沖縄の香りが漂ってくるのです。メロディーもちゃんと奏でることができました。いろいろ考えながら作っているときも楽しかったのですが、完成した三線が、楽器として機能すると知ったときの喜びも格別でした。
 DIYを趣味とする人でも、自分で楽器を作ってみようと思う方は少ないでしょう。DIYは、棚のようなシンプルな物づくりから始めて、椅子やテーブルなどの難しい課題に移っていくのが普通と思います。私もその一人でした。DIYの楽しさは、作る喜びだけではなく、作った物がちゃんと機能して評価されるところにもあると思います。小学校で使った縦笛、弾くことにあこがれたピアノ、流行につられて購入したギター、どれをとっても、楽器として機能するように作るポイントが解りません。横笛のように単純そうな楽器でも、正確な音程を得る方法で行き詰まってしまうでしょう。楽器として機能させるための音程の厳密さが、DIYから楽器を遠ざけているのだと思います。
 音程の厳密さを要求しない楽器といえば打楽器ですが、それゆえ、メロディーを奏でることはできません。作るときは音程の厳密さを云々しないが、出来上がったらメロディーを奏でることのできる楽器、そんな夢のような楽器があるのでしょうか。


沖縄で購入した、本格的な三線。三線おやじにとっては大きな買い物でした。

 三線とか三味線の構造を思い浮かべてみてください。音程を決めるのは棹の上に張られた弦です。弦の太さと張る強さで音の高さを決め、指で弦を棹に押さえつけて弾けばメロディーを奏でることができます。でも、これだけでは耳を弦に近づけなければ聴き取れない程の音量にしかなりません。それを補うのが、音を大きく響かせる太鼓のような構造の胴です。つまり、三線や三味線はメロディーを奏でることを可能にした太鼓、打楽器の簡便さを備えたメロディー楽器という訳です。
 そういう気持ちで三線や三味線を眺めても、自分で作ることができるとは思えないでしょう。漆が塗られた加工が難しそうな棹や動物の皮が張られた胴など、素人にはとても手を出すことができない世界に見えます。この感覚を打破してくれたのが、沖縄の簡易タイプの三線です。手に入りやすい安価な木材を棹にし、缶を胴にした三線が販売されているのです。楽器としても入門用なら十分です。DIYをたしなむ人なら、間違いなく自作できるレベルです。伝統的な方法で製作された三線でも、普及タイプには蛇の皮の代わりにナイロン布が張ってあります。このことは、少し無理をすれば、本物に近い音が出る三線も製作できることを示唆しています。


胴にナイロン布を貼った三線。三線おやじの最新作(2007/1)

 このブログではでは、三線の胴として缶だけでなく布を張るタイプの製作方法についても解説するつもりです。胴以外の三線を構成する部品は両方のタイプに使えるようにしてあります。まず缶のタイプを製作すると良いでしょう。缶のタイプでも三線の特徴である癒しの音は出ます。布のタイプは、音色は良いのですが、布を張る道具作りから始める必要が有るので、少し手間がかかります。缶の音に満足出来なくなったら作ってみてください。
 三線のデザインは好みに応じて変更すればよいと思います。自分の手の大きさに合わせたサイズにしたり、胴やカラクイを取り付ける部分のデザインを変えたりして、あなた独自の三線を作ってください。弾きやすさと音色に関係するポイントについては、重要事項として説明するつもりですから、この点だけは守って頂ければ、あとは自由です。
 作業時間は手際よくやっても実動で30時間くらいはかかります。胴が缶のタイプでも20時間はかかると思ってください。作る時間を楽しむこともDIYの良さですから、じっくりと時間をかけて、心をこめて作ってください。
 三線は弦が3本なので、とても演奏しやすい楽器です。伝統的な楽器で今も多くの人に親しまれているのですから、奥は深く極めようとすれば大変ですが、楽しむ事ができるレベルまでなら短期間で到達できます。大きさも手ごろで、インテリアとして壁にかけておく事もできます。プレゼントとしても喜ばれると思います。作って楽しめ、演奏して楽しめる。そんなあなたの三線作りのお手伝いができればと思います。


三線おやじの三線作り もくじ? [手作り三線]


三線おやじの三線作りもいよいよ本題に入ります。
でも、読者の皆さんにとっては、しばらく前置きのような説明が続きます。
別に、もったいぶっているわけではありません。
普通の本なら、本文を理解するために必要な補足説明は後ろの方についています。
読者は、必要なときにページをめくることにより、いつでも補足説明を見ることができます。
しかし、ブログではそうはいきません。
必要と思われる補足説明は本題の前にしておかなければなりません。
既に書いた2回の章前も、本の方では付録としています。

今後の予定を知っていただくために、本の目次を示します。
まず「三線づくりに必用な道具と材料」について述べた後に本題に入る予定です。
しばらくはがまんしてください。

もくじ

はじめに
三線作りをはじめる前に
   三線の全体像/三線作りの基本/三線作りに使う道具/三線の扱い方/三線の製作図
三線の製作
   カンカラ三線を作ろう
      歌口の製作
      棹の製作
         材料の選び方
         棹の墨付け
         棹の粗加工
         棹の仕上げ加工
      缶チーガの製作
         材料の選び方
         墨付け
         缶の角穴加工
      ウマの製作
      カラクイの製作
      猿尾の製作
      三線の弦
   本格的な三線を作ろう
      チーガの製作
         材料の選び方
         チーガの加工
         チーガの仕上げ
      チーガに布を張る
         布張り治具の製作
         布張り作業
            材料選別
            布張り作業
三線用の小物
   三線スタンド
   三線掛け
   胴巻き
三線づくりに必要な道具と材料
      道具類
      材料
道具の手入れ
音階について
設計図を書こう
三線の扱い方入門
   三線の組み立て
   弦を張る
   音を出す
      音を出す準備
      音を合わせる
      三線を弾く
あとがき
付録


三線おやじの三線作り 章前 図面の読み方 [手作り三線]

三線の作り方の2回目です。
今回は、このブログで使う図面の読み解き方について説明します。
三線づくりには、ミリメートル単位、場所によっては0.1mm単位の精度(守るべき寸法誤差)が要求されます。
その精度を説明する道具として図面を用いています。
今後、図面を表示するときにこのページに跳べるようにします。
なかなか本題に入れませんが、まず本文を理解するために必要な補足説明から始めます。解っている方は飛ばしてください。

 図面の印刷についてはこちら

図面のルール

 正面図Aの場合の外形は、矢印Aの方向から平行な光を物体に当て、当てた光線に対して垂直な面にできる物体の影で表されます。面と面が接する場所にできる稜線は、光を当てた側から見える通りに書きます。もし稜線が見えない場合(C,E,F)は破線で書きます。A~Fの図を描く位置関係は常に同じで、参考図の様になります。
 一つの物体に対して常に6種類の図を書く必要はありません。その物体の形状が理解できる最小限の図があれば十分です。例の物体の場合、AとB又はAとDの図を書きます。AとC、AとE又はDとFの組み合わせでも物体の形状は理解できますが、直感的に理解しやすくする為に、隠れている稜線を表す破線はなるべく避けるようにします。

線の種類

太い実線(連続する線)は物の形(稜線)を表しています。
太い破線(点線)は隠れている稜線を表しています。
形状を理解しやすくするために、補助線を使っています。
一点鎖線(長い線と1点が交互に描かれる線)は、対称な形状の中心に描かれ、中心線と呼びます。
二点鎖線(長い線と2点が交互に描かれる線)は、他の部品との組み合わせを確認したりするために用いられ、想像線と呼びます。
線の色は、理解しやすくするために使い分けています。

寸法表記

長さはmm(ミリメートル)、角度は度(一周360度)です。
直径は数字の前にΦを付けます。半径の場合は数字の前にR又はrを付けます。


三線おやじの三線作り 章前 図面を見るには [手作り三線]

今年は、三線の作り方をブログに書くと決心しました。
これを実現するには、三線の設計図を判別できる形で提供しなければいけません。
三線の設計図はCADで描いてあります。
CADの図面をそのまま提供するには、CADのファイルを置いておく場所を準備して、見る人はCADのプログラムをパソコンにインストールした上で、図面ファイルをダウンロードする必要があります。
そんな面倒くさい手順を踏むようでは、興味が半減してしまいます。
とは言っても、ブログで表示できる画像のサイズでは、図面の情報を読み取ることができません。

そこで考えたのが次の方法です。
・画像ファイルはpng形式で提供する。
 pngファイルは色情報が少なく同じパターンが繰り返される画像を
 少ない容量で正確に保存することに適しています。
・ブログ画面には横幅に合わせた形で縮小して表示される。
 残念ながら細部まで正確な表示はできません。
画像を保存し印刷する。
・画像の上にマウスカーソルを持っていき、左ダブルクリック。
 別画面が立ち上がり、図面画像だけ表示されます。
・画像の上にマウスカーソルを持っていき、右クリック。
 画像を保存する作業を選んで左クリック。
 画像を適当な場所に保存する。
 注:印刷も選択可能ですが、ここで印刷をしないで下さい。
    図面の左側のみ印刷されます。
・画像を扱うプログラムからA4サイズに印刷する。
 Windowsを使っているなら、画像ファイルを左ダブルクリックして、
 「Windows 画像とFAXビューア」を起動し、「印刷」を左クリックして、
 「写真の印刷ウィザード」で印刷すると良いでしょう。

これでも十分面倒ですが、図面をブログで提供できる最も簡単な方法かと思います。
次の図を上記の方法で保存し印刷してみてください。
三線の作り方シリーズでは、この方法で図面を提供していく予定です。
図1三線組図.png
図1 三線組図


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