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三線おやじの三線作り15 缶チーガ(胴) [手作り三線]

いよいよ、チーガ(胴)の製作です。
今回は、缶を使うタイプについて説明します。
三線づくりに使う道具の中に秤がありました。
秤を何に使うのだろう?と思われた方もいらっしゃると思います。
今回、その点も明らかになります。

缶チーガの製作

材料の選びかた

 共鳴板にする部分を叩いてみて響きの良い缶を選んでください。但し、叩いて良い音がしてもナベの底のように板厚が厚いと、弦の振動を十分な音量に変えることができません。なるべく板厚の薄い物にしてください。共鳴板部分以外は堅牢である方がお勧めです。サイズとしては、直径が140mmから180mm、高さが30mmから90mmが許容範囲です。大きければ低い音、小さければ高い音が良く響きます。見た目にはチーガ(胴)の部分が少し小さめになりますが、直径150mm、高さ50mm位が良い音がします。
 缶の底を共鳴板にするのが普通の考え方ですが、蓋を共鳴板にする方法もあります。缶のデザインを楽しめる三線になりますが、棹を差し込む角穴を空けるため、蓋の高さが19mm以上必要になります。また、蓋と本体の両方、合計4ヶ所に角穴を開ける必要があります。クッキー、キャンディー、チョコレートの缶を流用すると良いでしょう。


墨付け

 罫書き(墨付け)を行うのは、棹を通すための角穴だけです。但し、この角穴の最適位置は、缶の特性によって変わるので、注意が必要です。
 三線では、張られた弦と棹の間隔が重要になります。この間隔が、演奏しやすさと音の良し悪しを決める要因の一つとなります。棹と弦の間隔は、一方は歌口、もう一方はウマの高さで決まります。歌口は直接棹に取り付けるので理解しやすいと思います。ウマは共鳴板の上に置かれています。共鳴板は缶の一部ですから、棹を固定するための缶の角穴の位置が、弦と棹の間隔に影響する事は理解して頂けると思います。
 では、共鳴板から決められた距離に角穴を空ければ良いかというと、それだけではありません。共鳴板は、弦を張る力がウマに伝わって沈み込むのです。弦を張ったときにウマを共鳴板方向に押す力は約1.3kgです。従って、1.3kgでウマを置く場所を押した時の沈み込み量を考慮して、棹を通す角穴を空ける位置を決める必要があります。
缶角穴位置のための測定.jpg 沈み込み量の測定は、写真のように行うと良いでしょう。100g単位まで量ることができる秤の上に缶と測定器具を載せて、秤の表示を読みます。読み取った表示に対して1.3kg加算されるまで、ノギスでウマを立てる部分を押さえて、その時の沈み込み量を測定します。
 共鳴板を押す力1.3kgはウマと歌口の距離が610mmの場合です。サイズの異なる三線を作る場合は、歌口からウマまでの距離をLmmとした場合、Lを610で割った値の平方根に1.3kgを掛けた値が共鳴板を押す力になります。たとえば、歌口からウマまでが500mmとすると、共鳴板を押す力は1.18kgとなります。ただし、弦は610mmの場合と同じ材質と太さです。

 角穴を罫書くには、最初にセンターラインを決めます。缶のデザインを考慮して自分が気に入った角度をセンターラインとしてください。罫書き針を使うと跡が残るので、マジックペン等を使って、センターラインを描いてください。次に、角穴の上側(共鳴板に近い側)の線を罫書きます。最初に測定した沈み込み量に3.2mm加えると、共鳴板から角穴上辺までの距離となります。センターラインと上辺を基準にして一辺16mmの正四角形を罫書いてください。角穴を加工する時、角穴の中心にも穴を空ける必要があるので、対角線も罫書いてください。「図4 缶チーガ」を見ると罫書きの具体的なイメージを作りやすいと思います。


缶の角穴加工

 缶のチーガで加工する箇所は角穴だけです。この角穴が、棹との位置関係、ひいては棹と弦の間隔を決める事になります。棹を所定の位置にガタの無いように収めるために、角穴の加工は、現物の棹を合わせながら行ってください。
缶角穴加工.jpg 罫書かれた角穴用の四角形の四隅に直径1.5mmの穴を空けます。四角形の中央には直径6mmの穴を空けます。角穴の中央部から四隅の穴に向かって、対角線沿いに金バサミで切り込みを入れます。切込みを入れた部分を缶の内側に向かって直角に折り曲げます。折り曲げ代を3mm程残して、折り曲げた部分の先端を切り取ります。まず、角穴の共鳴板側の曲げ代部分を180度折り曲げてください。曲げて出来た稜線が共鳴板に対して平行かつ所定の距離になるようにしてください。この稜線を基準に角穴が所定の大きさになるように、棹を差し込みながらそれぞれの曲げ代部分を180度曲げてください。「図4 缶チーガ」の「角穴部加工手順」を参考にしてください。

缶角穴仕上げ.jpg 板金を曲げて出来る稜線の位置は、罫書き線で曲げると、線からは少しずれます。このズレを考慮して曲げる場所を決める必要があります。缶と同じ板厚の金属の切れ端で試して、勘所をつかんでから角穴部分の曲げ加工を行うと良いでしょう。それでも、0.1mm単位で調整を行うのは困難です。叩いて伸ばしたりヤスリで落として、棹と角穴のはまり具合の最終調整を行ってください。

缶蓋付き.jpg 蓋を共鳴板にする場合、まず蓋側の角穴を加工します。棹を差し込んで確認する最終調整まで行ってください。次に、缶の本体に蓋をした後、蓋の角穴をガイドにして本体側の角穴を罫書きます。角穴を空ける手順は前述の通りです。



振動調整コマ
 
缶音色調整コマ.jpg 缶は板厚が薄いので、振動させるとビビリが出ます。このビビリを防止するために、写真のようなコマを取り付けます。このコマは共鳴板と棹の間に挟み込む事で、共鳴板の振動状態を調整する働きをします。棹を差し込んだ状態でコマをはめ込んで、コマの厚さを決めてください。コマは両面テープで振動板側に取り付けます。取り付け位置によって音色が変わります。写真の位置が比較的良い音がでます。コマが付いている側が竿の上方向です。コマの角は、棹を差し込むときに引っかからないように丸めてください。


缶チーガ加工図
図4 缶チーガ.png
図面の保存と利用方法、三線の組立図はこちら。

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