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三線おやじの三線作り20 布張りチーガ作り3 [手作り三線]

今回の説明は少し長くなります。
布張りチーガの仕上げは、それだけ注意事項が多いということです。
加工に時間制限がある訳ではないので、注意ポイントを理解して慎重に加工してください。

チーガの仕上げ

中央穴の内側

チーガ仕上中央穴.jpg
 チーガ(胴)の中央に空けた穴は、円柱状のままでは特定の高さの音に共鳴しやすくなるので、何らかの工夫が必要になります。ここでは、穴を19面(素数)の柱状にすることで、問題の現象を軽減します。穴の内壁に19分割した線を書いた後、鑿またはヤスリで19面柱に加工します。表面または裏面の角が捲れ上がらないように注意してください。

棹を通す穴

チーガ仕上棹用穴1.jpg 棹を通す角穴は、三線の弾き心地を決定する重要な部分です。角穴のサイズだけでなく、空ける位置にも注意して加工してください。角穴に対する棹の嵌り具合を確認しながら加工するために、さおの加工が終了してから、角穴の加工をしてください。
 角穴の墨付けでは、胴の4ヶ所に四角形を書きます。この4つの四角形を含んでできる仮想の四角柱が真っ直ぐになるように罫書いてください。
 角穴の加工をやりやすくするため、ドリルで直径10mm~13mm程度の補助穴を空けます。穴がケガキ線からはみ出さないように注意してください。また、穴を空ける前に、4つの四角形のケガキ線の内側1mmくらいの所に深さ2mm程度鑿を打ち込んでおいてください。これにより、ドリルを貫通させたとき穴の端が捲れあがるのを防止できます。

チーガ仕上棹用穴2.jpg
 補助用の丸穴が空いたら、ケガキ線の内側1mm程度までの角穴にしてください。この加工はラフでかまいませんが、力を入れすぎて穴の縁を壊してしまわないように気を付けてください。
チーガ仕上棹用穴3.jpg 角穴の仕上げはまず、弦を張る側(表)に近い面から行います。この面は、表面からちょうど5mmの距離にあり、表面に対し平行になるようにしてください。ノギスで表面に対する距離と平行度を確認しながら、鑿とヤスリで仕上げてください。
 次に、棹の差込部分の幅と同じになるように、角穴の側面を仕上げてください。面間距離が大きくなりすぎないよう、ノギスで確認しながら加工してください。さらに、最初に仕上げた面に平行な面を仕上げてください。やはり、面間距離には充分注意してください。

チーガ仕上棹用穴4.jpg
 さいごに、棹を差込んで、棹との位置関係のズレと角穴のサイズを修正してください。棹を胴に差し込んだ状態で棹の下側から見て、棹の表面が胴の表面に対して平行に見えるようにしてください。
 この時点の角穴のサイズは、棹がきつめに差し込まれる程度にしておいてください。特に、湿度の高い時期には、この点に留意してください。


布を張る面の修正

チーガ仕上布張り面.jpg 弦の振動がウマからチーガに貼られた布に伝わり三線の音になります。良い音を得るためには、布が接着面から部分的に剥がれたり浮いたりしてはいけません。チーガの表面・裏面ともに外側に向かって下りの傾斜が付くように加工します。これにより、布を張ると常に接着面に布を押しつける力が働くことになり、剥がれにくくなります。傾斜は30:1~60:1程度です。木工ヤスリで加工してください。



エッジの仕上げ

チーガ仕上エッジ1.jpg 布を張りやすくするために、外周の角を半径6mm程度に丸めます。ここでは、ルータを使わない方法を説明します。まず外周の角から3.5mmに罫引で線を引きます。鉋又はナイフで、ケガキ線を引いたところまで切り落とします。これで、表面又は裏面に対し45度の傾斜を持った帯状の面が外周の表裏2ヶ所できます。これらの帯状の面の角を、面に対して約22度(45度の半分)の角度で切り落とします。この時にできる3つの面の幅が見た目に同じになるようにしてください。次に、ヤスリで角を丸めてできあがりです。

チーガ仕上エッジ2.jpg

紙やすり

チーガ仕上完了.jpg 最後に、紙ヤスリで磨いて、チーガ(胴)の加工は終了です。#100程度の紙ヤスリをかけた後、#240程度の紙ヤスリをかけてください。次に濡れたぞうきんでチーガ全体を拭いて、表面を湿らせてください。乾燥させると、表面の細かい歪みが取れて、毛羽立った状態になります。#240の紙ヤスリでこの表面を磨きます。この時、少し使った紙ヤスリの面でヤスリ掛けを行ってください。こうすることにより、毛羽立ちの少ない滑らかな面になります。内側も音の反響に影響するので、丁寧に磨いてください。丸めた角が滑らかでないと、布を均一の力で張る妨げとなります。特に注意して仕上げてください。
 仕上げ終了後、側面の真ん中に一周にわたり線を引きます。この線は、貼った布を切断する目安の線です。胴の厚みを測って、そのちょうど半分の所に線を引いてください。

三線おやじの三線作り19 布張りチーガ作り2 [手作り三線]

いよいよチーガの加工に入ります。
選んだ材料のサイズと材質に応じて、チーガの大きさを決めてください。
そのとき、前回のブログのチーガの図面を参考にして、あなたの作るチーガの設計図を書くことをお奨めします。

チーガの加工

木取り

 外形に合わせて材料を切断します。重要な部分は、布を貼る表と裏の面です。この2面を基準面にするので、面全体で平面度・平行度ともに0.5mm以内になるようにしてください。厚みは50mm~65mmの間で、材料に合わせて設定してください。
 側面は、この時はラフでかまいません。角材ならば一辺が180mmから190mm、丸材ならば直径が190mmから200mmの範囲にしてください。
チーガ木取り.jpg


墨付け

チーガ墨付け.jpg 墨付けにおいて重要なのは、表と裏の図がずれないようにすることです。まず、中心を通って直交する直線を両面に書きます。この線は基準線になるので、表と裏でずれないように正確に書いてください。またこの線は、側面に空ける棹を通す角穴の基準にもなります。最初に引く中心線は、角穴の中心を通る線で、棹を通したとき穴が破壊されにくくなるような方向に書いてください。次に、この直交線を基準にして、両面に中央の穴と外周を書いてください。
 墨付けの寸法は、前回のブログのチーガの図を参照してください。



粗加工

チーガ中央穴切断.jpg 罫書き線に従って、鋸・ジグソー等で外周を切断します。胴は、ジグソーで切断できる限界の厚さです。無理にジグソーを押したりしないで、時間をかけてゆっくりと作業を行いましょう。切断された位置が、罫書き線に沿っているか、表側だけでなく、裏側も確認しながら加工を行ってください。
 回し引き鋸・ジグソー等で、中央の穴加工を行います。まず、ケガキ線の内側に直径10mm程の穴を空けます。穴を貫通させると、出口側の穴の角が捲れあがります。下に補助板を敷いて穴を空け、捲れを防止しましょう。次に、ジグソーで中央の穴を切断します。作業中に注意すべきポイントは、外周を切断したときと同じです。

チーガ粗加工済.jpg 切断面が、ケガキ線に沿うように、木工ヤスリで荒仕上げをしてください。中央の穴は19面の角柱にするので、この時点では、切断面がケガキ線から2mm以内にある程度で十分です。外周は表面と裏面に対する直角度を確認しながら加工してください。木の上下の面が剥げないように、ヤスリ掛けの前に角の面取りを行ってください。

三線おやじの三線作り18 布張りチーガ作り1 [手作り三線]

 今回から、チーガに布を張った三線の作り方の説明をします。布を張る三線は、材料の選別、布を張る治具の製作など様々なことを行う必要があります。一つ一つのステップを丁寧にこなしていけば、満足できる音色の三線を作ることができると思います。

布張りチーガ作り

 伝統的な沖縄三線の音色は独特で、人の心を癒してくれる力があります。この音色を出すには、チーガ(胴)に蛇の皮を貼らなければなりませんが、特定の布を貼っても、近い音色にすることができます。沖縄でも、人工皮の三線として販売されています。
 ここでは、沖縄で一般的に採用されている方法とは異なっていると思いますが、私なりに試行錯誤して得た、胴に布を張った三線の作り方について説明します。
 チーガ(胴)の作り方、布を張る治具の作り方の順で説明していますが、製作の順序は問いません。


材料の選び方

チーガ桜材.jpg
 胴に加工できるサイズの材料は、DIYショップでは手に入りにくいと思います。幸い、木の種類に大きな制限はありません。サイズを満足して割れが入っていなければ、殆どの種類の木を三線の胴として使うことができます。強度の点で問題となるのは、棹を差し込む角穴の部分です。棹を抜き差しして角穴に割れが入らなければ、木目の方向も問いません。根気よく探せば、流用できる材料があるでしょう。銘木店に注文すれば、高価にはなりますが、手にはいると思います。
 できれば、なるべく堅くて強い材料を選んでください。桜ならば、輪切りの材料も使用できます。写真の材料は、桜と杉です。他には、チーク、カバ、ナラ、ラワン等が使えると思います。

チーガ杉材.jpg
 材料は、乾燥が進むことにより割れが入ることがあります。購入後は、必要な外形に近いサイズに切断します。すぐに三線製作をしないのなら、木取りの工程まで加工して、中央の穴も、なるべく正規に近いサイズで空けておきましょう。
 適切なサイズの材料が、どうしても手に入らない場合は、厚さ18mmの板を3枚重ねて胴を作ります。中央の穴を空けた後に、貼り合わせてください。接着剤が乾くまで、クランプなどの締め具を使って接合部を押さえつけ、隙間ができないようにしてください。
 私の方法はたまたま無垢材料で適当なサイズにめぐり合えたので、このようになりました。伝統的な三線の胴は4枚の板を枡の枠ように組み合わせて接着した後に、丸みを持たせる加工をしているようです。あられ組み加工ができるなら、この方法の方が強度も増して、理にかなっていると思います。この方法のもうひとつのポイントは、内側にも曲面加工を施す必要が生じることです。この加工が少し大変になると思います。200mm x 60mm x 30mm位の板が4枚あればできると思います。この方法で胴を作る場合、棹を通す穴の位置関係だけは合わせてください。仕上げ工程での留意事項は同じになると思います。

木のブロックを加工するタイプのチーガ参考図
図3 チーガ.png

板を組み合わせるタイプのチーガ参考図
図3-2 板組チーガ.png

図面の保存と利用方法、三線の組立図はこちら。

三線づくりを再開するにあたって [三線]

三線づくりの説明を再開します。
約3ヶ月の中断でした。
中断したのは、健康上の理由です。
まだ、体力の回復が思わしくなく本調子ではないのですが、頑張ってみようと思います。

布張り三線2.jpg
これまでは、三線づくりの入門として、缶を胴にするカンカラ三線の作り方について書いてきました。
カンカラ三線もなかなか味わいのある音が出るのですが、弾きこんでいくうちに、もう少し音量があればとか、もう少し音色が改善されればと感じるようになると思います。

沖縄三線には次三つのタイプがあります。
・缶を胴に使ったカンカラ三線
・胴に人工皮を張った三線
・胴にヘビの皮を張った三線
他にも胴に板を使用するなどオリジナル三線があるようですが、殆どの三線は上の三つの分類のどれかに入ると思います。

缶を胴に使う場合は棹を差し込む穴を加工するだけで胴の製作は終わりです。
作るのは簡単なのですが、音色や音量は缶まかせとなり、胴に皮を張るタイプと比較すると見劣りがします。
人工皮やヘビの皮を使う場合は、胴を作り、胴に皮を張る作業が必要となります。
缶を使う場合と比べると、加工は困難で時間もかかります。
でも、音色や音量は格段に向上します。
ヘビの皮が張られた伝統的な沖縄三線の音色はなんともいえない味わいがあります。

市販されている沖縄三線を見ると、シロウトにこんな加工が可能なのかと疑問が沸くと思います。
よほどの加工の腕がないと、市販品と同じようなものは作ることはできないでしょう。
でも、基本構造を押さえた上で単純化すれば、音量・音質とも申し分の無い三線を作ることは可能なのです。
胴には木使い、それにナイロンの布を張ることで音の良い三線ができます。
カンカラ三線の棹を加工できる腕が有れば、作ることができます。

とは言っても、加工にあたって守らなければならない注意点があります。
特に、ナイロン布選びと布を貼ったときの強さが重要になります。
これらのポイントについて次回から説明していきます。

胴にナイロン布を張る治具を使っているところ
布張り.jpg
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